二天門
 帝釈天の配下の四天王のうち、南方守護の増長天、西方守護の広目天を安置する。そして、帝釈堂内に、東方守護の持国天、北方を守る多聞天が、帝釈天の脇士として配置されている。
明治29年、江戸期建築の最後の名匠と言われた、坂田留吉棟梁によって造りあげられた、総欅造りの豪壮な門である。日光東照宮の陽明門を模したと言われ、桝組は、三手先、扇タルキの見事な出来映えは、この寺の建造物の中でも、ひときわ優れている。この二天像は、奈良大安寺にあった往古の文化財と伝えられ、奈良時代の造像。
 多くの木彫群によって荘厳された重厚優美な二天門は、門前通りの正面にそびえ立って見られる。
 この門をくぐれば、瑞竜の松が枝を拡げる境域へと誘われる。正面には、帝釈堂の偉容が目前に現れる。